2026.09.10

十五夜と十三夜、もうひとつのお月見

今年の9月25日、十五夜の月をご覧になりましたか。

もしまだなら、少し急いだ方がいいかもしれません。日本には昔から、こんな言い伝えがあるのをご存知でしょうか。「月は一度だけ見ると、縁起が悪い」——これは「片見月(片月見)」と呼ばれる、あまり知られていない日本の風習です。

今年の「もう一つの月」は、10月23日

十五夜と対になる、もう一つのお月見の日を「十三夜」といいます。2026年の十三夜は、10月23日。もし9月の十五夜を見逃してしまった方も、あるいはもう一度きちんと「二夜の月」を完結させたい方も、この日は見過ごせない一日になりそうです。

十五夜だけでは、実は片手落ち

私たちが「お月見」と聞いてまず思い浮かべるのは、9月の十五夜(中秋の名月)でしょう。すすきを飾り、月見団子を供え、満月を眺める——これは平安時代に中国から伝わった風習で、別名「芋名月」とも呼ばれます。

けれど、日本にはもうひとつ、独自に生まれたお月見の日があります。それが十三夜、別名「後の月」です。栗や豆の収穫期にあたることから「栗名月」「豆名月」とも呼ばれ、平安貴族が月見の宴を催したのが始まりとも言われています。十五夜が大陸から伝わった風習であるのに対し、十三夜は日本で独自に育まれてきた、いわば「日本オリジナルのお月見」なのです。

この十五夜と十三夜、合わせて「二夜の月」と呼ばれ、昔からセットで愛でるものとされてきました。そして、どちらか一方しか見ないことを「片見月」と呼び、縁起が悪いと言い伝えられてきました。真偽のほどは定かではありませんが、「せっかくなら両方見た方がいい」というこの感覚は、時代を超えて今も日本人の心のどこかに残っているのかもしれません。

本当に月が見える場所は、灯りのない場所

とはいえ、正直なところを言えば、都会の夜空で月を見上げても、街の明かりに霞んで、輪郭がぼんやりとしか見えないことも少なくありません。本当に美しい月を、心ゆくまで眺められる場所は、実はそう多くはないのです。

夜空に浮かぶ満月と幻想的なヤルダン地形

中国西北部、新疆のハミ大海道は、街灯どころか人の気配すらほとんどない無人区です。赤や青みがかった岩肌が連なる雅丹地形の中を進み、夕陽が奇岩を金色に染めるころ、あたりは万年変わらぬ静けさに包まれます。そんな場所で見上げる月は、都会で見るものとはまったくの別物です。街の明かりに邪魔されることなく、輪郭のひとつひとつまではっきりと浮かび上がる、本来の月の姿がそこにあります。

灯りのない場所でひとり静かに月を見上げるのも良いものですが、家族や友人とともに、同じ月を見上げる時間もまた、格別なものです。片見月を避けるという昔ながらの知恵の奥には、もしかすると「大切な人と、月を見る時間を大切にしなさい」という、もっとシンプルなメッセージが隠れているのかもしれません。

シルクロード・エクスプレスで、完全な「二夜の月」を

「シルクロード・エクスプレス」の西寧-喀什の旅は、今年10月23日に出発します。奇しくもこの日は、まさに十三夜。

列車内

西寧を出発した列車は、青海の草原地帯を抜け、ハミの大海道、輪台の胡楊林、そして喀什の旧市街まで、シルクロードを一路西へと進んでいきます。旅の間、専属の度假大使が終始付き添い、専門のカメラマンが道中の一瞬一瞬を記録してくれます。移動の区間ごとに用意された専属車両——奔馳S級のセダンから、無人区を行く戦車型オフロード車まで——も、この旅の贅沢な一部です。

車内は五つ星ホテルに匹敵する寝具と浴室を備え、専用のバーラウンジ、シガールーム、麻雀室まで揃っています。夜には宮廷風の晩餐会も用意され、昼間に見た景色の余韻に浸りながら、一日を締めくくることができます。

9月の十五夜をひとりで、あるいは慌ただしく見送ってしまった方も、来年に灯りのない大地の上で、本当の意味での「二夜の月」を完結させてみませんか。